【無人島に持っていくならこの本】
The Graphis Press – 岡田(伸)の場合 –

Culture , デザイン

2020.10.16

旅や歴史、古いものレトロなものが好きな大阪デザイナー岡田です。
多くの本好きの方々は、物語・小説・文学などの「活字」の本を選択されるのではないでしょうか。
私はあえて図形や絵画・写真で構成されるビジュアルブック「The Graphis Press」を選んでみました。

ヘルベチカに代表されるサンセリフ系のタイポグラフィ、ノイエ・グラフィック、グリッドシステムなど50~70年代のスイスデザインが好きです。

私が当時のスイスデザイン、特にグラフィックに惹かれるポイントは、清潔感/ 可読性/ 客観性の三大原則をベースとした、シンプルな表現・大胆な構図・飽きの来ないデザインという点です。フォントにおいても前述のヘルベチカやユニバースといった現在でもなお古さを感じさせないシンプルさが魅力です。

Graphisはスイス発祥のデザイン誌で、1944年チューリッヒで創刊されて以来時代を代表する世界のあらゆるアートやデザインを紹介してきました。50年代にはパブロ・ピカソのような巨匠もリアルタイムで特集されており雑誌という枠では計り知れない貴重な資料だと思います。
(※雑誌としてのGraphis は90年代に終刊、現在は拠点をスイスからニューヨークに移しデザイン・広告・写真・ポスターといったジャンル毎の年鑑を発行しています。)

現在手元には十数冊しかありませんが、中でも私のお気に入りの2冊が
No,145「25th ANNIVERSARY」(1968/69)と No,150「EXPO’70」(1970)です。

1969年に創刊25周年を記念した特別号は、表紙(ヤン・レニツァ)のように25をテーマに、当時活躍する25名のアーティストのドローイングが特集された節目の号になります。

(ミルトン・グレイザー/ シーモア・クワスト/ トミー・アンゲラー/ ジャン・ミシェル・フォロン/ ポール・デイビス/ 亀倉雄策/セレスティーノ・ピアッティ/ ハーブ・ルバリン/ アンドレ・フランソア/ ハンス・ヒルマン/ アントニオ・フラスコーニ etc.)

150 号は1970 年の大阪万博特集号。太陽の塔「黄金の顔」にフォーカスした表紙デザイン、シビれます!

この号は当時の東光堂書店が監修した日本語訳も付いたとても有難い内容です。
スイス館/ アメリカ館/ 日本館などの紹介が多くの写真と共に、吉川静子さん(シズコ・ミュラー・ヨシカワ、あのグリッドシステムのヨゼフ・ミュラー・ブロックマンの奥様)が寄稿されております。

現代でも決して色褪せない数多くの絵画や写真、お気に入りのグラフィックを眺めながら無人島での退屈で贅沢な時間を過ごしたいと思います。

(※No,138/139 号 日本特集を探しております。古本屋等で見かけられましたらご一報くださいませ)

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