あと数年で起こる?DX推進を阻む「2025年の崖」とは

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2019.11.21

昨今ビジネスシーンで話題の「デジタルトランスフォーメーション(DX:Digital Transformation)」。
経産省によるDXレポートや総務省による情報通信統計データベースにも書かれているように、わたしたちの生活基盤にも大きく影響をおよぼすと言われています。
このデジタルトランスフォーメーション(DX)を進めるにあたり起こると言われているのが「2025年の崖」です。

デジタルトランスフォーメーション
(DX:Digital Transformation)とは

デジタルトランスフォーメーション(DX)は、スウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授によって2004年に提唱された概念です。
進化し続けるテクノロジーが人々の生活を豊かにしていく」というもので、単なる「デジタル化」ではなく、ICT(=情報通信技術)の浸透により、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させることであり、技術革新で新たな価値を創造し、社会的な影響をもたらすまでのことをいいます。

このことについて、わりと具体的に、総務省は次のように言っています。

まず、インフラ、制度、組織、生産方法など従来の社会・経済システムに、AI、IoTなどのICTが導入される。次に、社会・経済システムはそれらICTを活用できるように変革される。さらに、ICTの能力を最大限に引き出すことのできる新たな社会・経済システムが誕生する。

その結果としては、例えば、製造業が製品(モノ)から収集したデータを活用した新たなサービスを展開したり、自動化技術を活用した異業種との連携や異業種への進出をしたり、シェアリングサービスが普及して、モノを所有する社会から必要な時だけ利用する社会へ移行し、産業構造そのものが大きく変化していくことが予想される。

総務省 情報通信統計データベース 「デジタルトランスフォーメーション」

「2025年の崖」の概要

デジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みが進まなければ、2025年を節目に多くの問題が企業の前に立ちはだかることを指しています。
経産省が2018年に発表した「DXレポート」で、「既存システムが刷新されず全社横断的なデータ活用ができなかったり、過剰なカスタマイズがなされているなどにより複雑化・老朽化・ブラックボックス化している場合、市場の変化に対応できずデジタル競争の敗者になるおそれがあり、2025年以降、最大で年間12兆円の経済損失が生じる可能性がある」と警鐘を鳴らしています。

「2025年の崖」の元凶「レガシーシステム」

今の日本の約8割の企業の既存の基幹系システムや情報システムは、情報共有や連携を考慮せずに独自に構築していたり、部門・業務ごとに分断化していたり、場当たり的なアップデートや過剰なカスタマイズを繰り返したりしたせいで、老朽化、肥大化、複雑化、ブラックボックス化しているという問題を抱えています。
こうした老朽化や肥大化、複雑化、ブラックボックス化した既存システムは、「レガシーシステム」と呼ばれています。

レガシーシステムを使い続ける弊害

  • 維持管理が容易ではなく維持管理費が高い 
    → 新システム、デジタル技術を導入できない 
    → 新たなサービスやビジネスモデルに追従できない
  • 保守運用者・人材が不足 
    → メンテナンスや業務基盤の維持や継承が困難になる、セキュリティリスクが高まる
  • 今後爆発的に増えるデータを十分に活用できない 
    → DXを実現できず、デジタル競争の敗者に

全社的に大幅刷新を行わない限り、技術的負債を抱え、デジタルトランスフォーメーション(DX)実現は難しい、と経産省のDXレポートで述べられています。

また、ベンダーにとっても、技術的負債の保守・運用業務にリソースを割かざるを得ない状況では、最先端のデジタル技術分野に人材・資金を投入してクラウドベースのビジネス・モデルに転換できる機会を逸してしまいます。

レガシーシステムと最新システムが生む格差

多くの企業が課題を持つ一方で、クラウドやAI、IoT、5Gなどの新しい「デジタル技術」が発達し、デジタルトランスフォーメーション(DX)の実現に最適な「アジャイル開発」も進んでいます。

最先端のシステムに入れ替えたり、最初から最先端のシステムを利用している企業は、維持管理コストを低く抑え、どんどん新しいデジタル技術を入れて、ビジネスを進化していくことが可能です。

今後、次々に出てくるAIや5Gなどの最先端のデジタルテクノロジーの技術を利用できる企業と、レガシーシステムを破棄できず進化できない企業との差は決定的になるでしょう。世界で戦える日本企業が少なくなるおそれがあります。

まとめ

  • 老朽化した既存の基幹システム(レガシーシステム)がデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するうえで妨げになる
  • 2025年までにレガシーシステムの刷新をしないと、それ以降、最大12兆円/年(現在の約3倍)の経済損失が生じる可能性がある

システム刷新は長期間にわたり大きなコストがかかるため、経産省は税制の優遇などを含めて支援したいと考えているようです。

また、2025年はSAPのERPのサポートが終了するため、システム全体の見直しが不可欠になります。
これから2025年の崖を克服するために、ただでさえ人材不足なエンジニア、プログラマなどがさらに不足すると思われます。これを機に、インド、ベトナム、中国などからのIT部門に優れている外国人雇用が急速に増えるかもしれません。
「2025年の崖」は、いかに多くの外国人との共生を図れるか、ということにも影響を及ぼしそうですね。

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